若い頃には着ることが少なかった喪服も年を重ねるごとに着る機会が増えていきます。哀しいことですが・・・
喪服を着るということは「故人を悼む」弔意を表すことです。ビジネスシーンやお祝い事で着るスーツとはまったく意味合いが異なり、個性を演出したり、オシャレ感を出したりしてはいけません。
それでは喪主や親族、または参列者としてどのように喪服を選んだら間違いがないのか、どのような着こなしをすれば場違いにならないのかを「購入orレンタル」もまじえて説明していきます。
「お通夜」「葬儀」「告別式」の役割と違い
「お通夜」「葬儀」「告別式」・・・よく聞くワードですが、それぞれがどのような儀式なのか分かりにくいですよね。それというのも近年では家族葬など簡略したものが増え、省いたり、一緒にやったりしていることが要因だと思います。
まずそれぞれの役割と違いについて簡単に確認していきましょう。地域や宗派により異なる場合がありますが、ここでは一般的な葬式についてお話していきます。
「お通夜」
- 遺族、親族、親しい友人が集まり、個人と最期の夜を過ごす儀式
- 昔はお亡くなりになった夜に自宅で行うものだったが、今は翌日または翌々日の夜に式場で行うことが主流
- 夜に行われる通夜は平日でも弔問しやすいことから、一般参列者も葬儀や告別式ではなく通夜に参列する人が増えている
- 昔は夜通し灯をつけて故人とともに過ごしたが、昨今は葬儀前夜の18時-19時から2時間程度の半通夜が多い
- 半通夜が終わると「通夜振る舞い」を行うことが多い
- 近年増加している小規模な一日葬の場合通夜は行わない
「葬儀」
- 宗教儀礼に位置づけられ、僧侶による読経が中心となる
- 遺族、親族、親しい友人が故人の冥福を祈り、お別れをする儀式
- 通夜の翌日、告別式の前に行われる。
- 僧侶の読経や戒名授与、弔辞などが行われるれ、僧侶の読経中に行う親族の焼香までが葬儀とされている
「告別式」
- 社会儀式に位置付けられ、一般の参列者が故人の冥福を祈り、お別れをする儀式
- 近年葬儀の後に続けて行わることが多く、葬儀の告別式の間に明確な区切りはない。
- 僧侶の読経中に一般参加者が焼香を始めるところから告別式が始まり、親族や一般参列者が出棺前の献花を行う
- 火葬後、葬儀場に戻り行う繰り上げ初七日法要、もしくは火葬前に初七日法要する繰り込み法要がある
葬儀と結婚式、同じブラックスーツでいいの?
喪服といえば黒、結婚式の礼服も黒、近年ビジネスシーンでも黒を着ている人がいます。さてこれらは同じブラックスーツなのでしょうか? ネクタイだけ代えればお葬式でも結婚式でも会社にでも着ていけるものなのでしょうか?
慶弔の黒とビジネスシーンの黒
まず慶弔で着る礼服とビジネスシーンで着るブラックスーツについてお話します。ブラックフォーマルの黒とビジネスシーンの黒は同じ黒でも、黒の質がまったく異なります。
礼服のブラックフォーマルとビジネスシーンで着るブラックスーツは別物です。
礼服の黒は漆黒といわれる真っ黒いのに比べるとブラックスーツはグレーかかって見えます。街中で礼服を着ている人を見ると真っ黒なのでわかると思います。店頭で売っている礼服のタグやネットの商品説明には「濃染加工」や「黒が深い」など黒さを強調しています。
喪服はマットなのに対して、ビジネスシーンのブラックスーツは光沢があり生地の質も違います。またブラックフォーマルは一般のスーツのようなおしゃれ感を出したシルエットでないものが多いようです。同じ黒だからとビジネスシーンのブラックスーツを葬儀に着ていくことはマナー違反です。
葬儀の黒と結婚式の黒
次にお葬式と結婚式に着ていくブラックスーツは同じものでよいのかを解説します。
お葬式に着ていく服を「喪服」、結婚式に着ていく服を「礼服」と使い分けていることから別物? と思えますがどうなのでしょう?
- 礼服 冠婚葬祭に着用するフォーマルウェア
- 喪服 葬儀や法事の際に着用するブラックフォーマル
礼服には「葬」が含まれているので喪服も礼服の一種であることがわかります。一方喪服は「喪に服する」と書くように弔事でしかきることができません。
しかし結婚式に参列しても喪服のとの違いは判りません。店舗やネットで礼服をみると「慶事にも弔事にも着用」できるようになっていて、「慶事用」「弔事用」と分類されているわけではありません。
葬儀と結婚式 同じブラックスーツで大丈夫
これが私の結論です。
ネクタイだけ代えれば慶事でも弔事でも着用できる便利な服なのです。実際に多くの人が慶弔兼用で着ていて、年配の方に特に多く見受けられます。
しかし慶弔兼用に対して服飾関係の方は反対しているようです。
その理由としては・・・
海外ではブラックスーツ=喪服という考えから結婚式ではブラックスーツを着用しません。そのため服飾のプロの方は結婚式にブラックスーツを着ることに否定的でダークグレーやダークネイビーをおススメしています。
しかし日本では年配の方を中心に結婚式=ブラックスーツ+白ネクタイ信仰が定着してるので、周りの目が気になる場合はブラックスーツは全然OKです。地域により違いはあるでしょうがブラックスーツを着ていけば間違いありません。
結婚式にブラックスーツを着るのは日本独自の礼服マナーなんですね。
ここは日本なのだし、海外に倣わないで日本流でいいように思うのですが、、、個人の判断にゆだねるしかありません。
喪主・親族・参列者 選ぶべき喪服の種類
喪服とひとくちに言っても種類があります。「えっ? 喪服って黒のスーツのことでしょ?」そう認識している方もいるかもしれません。あながち間違えているとも言えないのですが、喪服には「格」があります。
「正喪服」「準喪服」「略喪服」とあり、字を見て分かる通り「正喪服」がもっとも格が高く、男性の正葬服は「和装」もしくは「モーニングコート」となっています。
私も何度か葬儀に参列したことはありますが、モーニングコートを着た人を見たことがありません。格式のある葬儀であればモーニングコートもありうるのでしょうが、ほとんどの場合は準葬服と呼ばれるブラックスーツを着用することになるでしょう。
それでは、喪主、参列者と立場が違う場合、お通夜、葬儀と状況が異なる場合も一様にブラックスーツでよいのでしょうか? 表でまとめます。
正喪服/モーニングコート | 準喪服/ブラックスーツ | 略喪服/ダークスーツ | |
---|---|---|---|
喪主・遺族 お通夜 | ◯ | ◯ | × |
喪主・遺族 葬儀・告別式 | ◯ | ◯ | × |
親族 お通夜 | × | ◯ | × |
親族 葬儀・告別式 | × | ◯ | × |
参列者 お通夜 | × | ◯ | △ |
参列者 葬儀・告別式 | × | ◯ | × |
立場がどうであれ、通夜・葬儀と状況が違っても「準喪服」と呼ばれるブラックスーツは万能です。大規模な葬儀や社会的地位の高い方の葬儀であれば喪主をはじめ迎える側の人が正喪服を着用することもありえますが、小規模の葬儀でモーニングコートを着ては悪目立ちすることになります。
お葬式(お通夜・葬儀・告別式)は準喪服(ブラックスーツ)が基本
一点だけ「△」がついた箇所を見てください。「お通夜」の参列者だけが「略喪服」と呼ばれるダークスーツを着ることが許されるのです。お通夜に喪服を着ていくのは「亡くなるこを予想していた」ようで不謹慎になる。そんな話を聞いたことはありませんか?
以前は亡くなった夜に自宅でお通夜が行われていました。そのため出先から急いで駆けつけたので喪服(ブラックスーツ)ではなかったのです。ところが近年は亡くなった翌日以降に式場でお通夜を行うことがほとんどです。火葬場の空き具合で遅れることもあります。
つまり喪服(ブラックスーツ)を着る余裕があるのです。喪服を着る時間があるのなら喪服を着ていきましょう。じっさい式場で行われるお通夜にはほとんどの参列者が喪服を着ています。
お通夜は喪服で参列するのが基本
しかし急いで駆けつける状況であればダークスーツであってもマナー違反にはなりません。帰って着替える時間もなくどうしても故人とお別れしたいという気持ちがあればたとえ作業着であってもとがめる人はいないでしょう。
繰り返しますが、式場で行うお通夜であれば喪服(ブラックスーツ)を着ていくことをおススメします。
喪服の選び方、着こなし方
喪主・親族や参列者でも準喪服のブラックスーツを着用するのが一般的です。
それではブラックスーツさえ着ておけばよいのでしょうか? お葬式は特別で厳格な式典です。スーツのほかにも失礼にならないアイテムを選ぶ必要があり、お葬式ならではのマナーがあります。
それではお葬式にふさわし喪服の選び方、着こなし方について説明していきます。
具体的に商品もあげていきますのでぜひ参考にしてください。(平均的な価格と思われるものから選びました)
ブラックスーツは漆黒
前の章でもお話ししたようにお葬式で黒のスーツはビジネスシーンで着るブラックスーツとは別物です。「漆黒」と言われる「濃染加工」された真っ黒で光沢のない黒です。
ジャケットはシングルでもダブルでも大丈夫です。若い方やスリムな方はシングル、年配の方や割腹のよい方がダブルを選ぶ傾向にありますがお好みで選べはよいでしょう。
参列者であればベストは着ない方が無難です。喪主や親族がベストを着ていないのに参列者が着てしますと「格」が逆転してしまいます。
パンツの裾はカジュアル色の強いダブルは避けてシングルにします。「ダブる」「重なる」という意味合いから避けるのもルールのようです。ジャケットはダブルでもよいのに変な話ですが・・・。
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ブラックスーツ(上下) 54,890円
ワイシャツは白無地
ワイシャツは白無地一択。柄物、色物はダメです。折り柄のないブロード素材の白いワイシャツです。
襟はレギュラーカラーが鉄板。もしくはワイドカラーであっても問題ありません。ボタンダウンのようにカジュアル色があるものだよくありません。
遊び心を一切排除した真っ白の無地、襟はレギュラーかワイド。もちろんビジネスシーンにも使えるので一枚は持っていたいものです。
葬儀用に黒のカフリンクスは売っていますが、お悔やみ事に装飾は失礼とする向きもあるので(カフス)カフスシャツはやめた方が無難だと思います。
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ワイシャツ(レギュラーカラー) 3,980円
黒無地ネクタイをディンプルなし
ネクタイは弔事用の光沢のない黒無地のみです。それ以外の色は一切NG。折り柄のあるものを避けた方が無難です。ネクタイピンは控えます。つける場合は光沢のないものを選びます。
弔事の場合のネクタイの締め方にはルールがあります。ディンプルと言われるネクタイの結び目のくぼみをつけるのはマナー違反です。オシャレ感を演出するディンプルをつけずにプレーンノットで結ぶのが基本です。
緊急で黒ネクタイが必要になった場合、当然スーツ専門店や百貨店で購入するのが間違いありません。100均でも売っていますが、これは最後の手段ですね。質は期待できず安っぽさが見えます。それよりはコンビニで購入した方が全然よいです。葬儀場近くのコンビニには置いてあるケースがあります。
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ネクタイ 3,630円
靴はフォーマル度の高いストレートチップ
紐で結ぶ黒の革靴を選びます。スリッポンのように紐のないものはNGです。紐靴でもスエード素材やUチップのようにカジュアル色の強いものもNGです。
喪服にもっともふさわしいのは内羽根式のストレートチップです。フォーマル度の高いストレートチップはお葬式以外での冠婚葬祭はもちろん、ビジネスシーンにおいても使用できる優れものです。
ストレートチップのようにつま先に一文字のステッチがないプレーントゥのフォーマルシーンで使用できます。足の甲が高い人は外羽根式のプレーントゥの方が負担が少なくてよいかもしれません。
場に相応しい靴であっても盲点があります。「音」に気を付けたいものです。厳粛なムードの中、コツコツを靴音が響くのは周囲に迷惑が掛かります。普段は気にかけないことでしょうが気を付けたいものです。
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ストレートチップ 16,500円
ベルトは黒のプレーンタイプ
ベルトは靴と同色を選ぶのが基本。お葬式は黒の革靴を履くのでベルトも黒になります。ヘビ革やワニ革など殺生を思わるものはNG、ブランドロゴが前面に入っているバックルも控えたほうが良いでしょう。
柄のないプレーンタイプ、幅は細すぎず太すぎない3センチ程度の幅で、バックルはシルバーのシングルピンのバックルがおススメです。あらゆるシーンで使えます。
葬儀用に黒のバックルのベルトも売っているので、金属(シルバー)が気になる方にはよいでしょう。
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本革 黒ベルト 5,500円
靴下は黒のロング丈がベスト
靴下は黒一択です。間違っても白の靴下を履いてはいけません。黒でも柄が入ったものやブランドロゴが入ったものも避けるべきです。
もう一つ気を付けたいことに長さがあります。座った時に肌が見えないミドル丈やロング丈が理想です。着席した時におじさんのすね毛が見えるのは見苦しいですよね。薄手で肌が透けてしまうものNGです。
カジュアルショップで3足1000円で売っている縦に折りの入ったリブソックスもフォーマルには相応しくないので、冠婚葬祭用に1足用意しておくのがよいでしょう。
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ロングホーズ 黒靴下 1,540円
小物も忘れずチェック
忘れがちな小物に関してもお話ししていきます。やはりある程度の年齢になったらマナーを守ってキッチリしていきたいですよね。
時計
時計は付けることはマナー違反ではありません。もちろんチラチラと時計を見て時間を気にする行為はNG。派手な時計、ゴツイ時計は喪服とのバランスも悪く、弔いの場にふさわしくありません。
「アナログタイプ」「装飾のないシンプルな文字盤」「黒ベルト」この3要素が揃っていれば間違いありません。ベルトがシルバーであっても許容範囲です。
逆にふさわしくないものは「デジタルタイプ」「装飾の多いもの」「クロノグラフタイプ」「Gショックタイプ」「スマートウォッチ」「カジュアル色が強いもの」シンプルなアナログタイプを持っていない場合は式典中は外しておくのが賢明です。
普段シンプルな腕時計をはめない方であれば自動巻きの腕時計はどうでしょう。電池切れの心配がなく、止まっていれば振るだけで動き出します。オリエントスターは手頃な価格の自動巻きが揃っています。
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オリエント時計 自動巻き 29,980円
ハンカチ
白か黒のハンカチを選んでおけば大丈夫。柄物や色付きのハンカチば場違いになります。白のハンカチであれば慶事にも使えますので一枚は持っていたいものです。
黒のポケットチーフも売っていますが、弔事には華やかさを演出するポケットチーフは似つかわしくありません。使わない方が無難です。
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ハンカチ(白もしくは黒) 1,000円
数珠
通夜・葬儀・告別式の焼香の際に使う数珠。宗派ごとに決まっている本式数珠と決まりがなく全宗派に使える略式数珠があります。
多くの方はこの略式数珠を使用しています。数珠は貸し借りするようなものではないので、ある程度の年齢になったらいざという時のために用意しておくとよいでしょう。
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略式数珠 5,500円
袱紗(ふくさ)
祝儀袋や不祝儀袋など慶弔時に渡す金封は袱紗で包んで持参するのがマナーです。袱紗には「風呂敷型」「爪付き型」「台付き型」「金封型」の4タイプがありますが、普段袱紗を使い慣れていない型は挟むだけの「金封型」がおススメ。カバンに入れても崩れる心配がありません。
華やかな「慶事用」、暗い色調の「弔事用」、慶弔どちらにも使える「慶弔両用」とあるので、男性は「紺無地」を選べば慶弔両用とすることができます。
包み方にもルールがあります。「慶事は右開き」「弔事は左開き」になります。男性の場合覚えるのは簡単です。
普段のシャツやジャケトは相手から見ると右が上に着ているはずです。袱紗も同じでお目出たい場合は右が上になるように包みます。
白装束(死装束)は左前と言われるように一般の男性の服の重ねとは逆です。悲しみの場合の袱紗も同じように左が上になるように包みます。男性であれば普段の服を基準に覚えるといいでしょう。
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(値段は変更する場合があります)
袱紗 2.178円
バッグ
男性が葬儀に参列する場合はバッグを持って行かないことが一般的です。手ぶらで行くことがよいとされています。
持っていくものとしては、香典(袱紗)、ハンカチ、数珠、財布、スマホと最小限にとどめて、ポケットに入れるようにします。
しかし持ち物がそれより多くなる、ポケットがパンパンになる、などの場合には取っ手のついていない小さなクラッチバッグを用意するといいでしょう。
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(値段は変更する場合があります)
クラッチバッグ 13,200円
故人・遺族に弔意を表すためにも葬儀における洋服マナーを守ります。喪服以外のアイテムにも十分注意しましょう。「奇をてらわず」「目立たず」「地味」にするのが基本です。
喪服は購入すべきか、レンタルでいいのか?
結婚式やお葬式は頻繁にあるものではないので、礼服を購入するのはもったいないと思う人もいるでしょう。冠婚葬祭に着用する礼服は普段使いできないのでなおさらです。
喪服のレンタルサービスはネット検索するとたくさん出てきて、喪服は「購入」だけでなく「レンタル」することも選択肢としてアリだと思います。
レンタルすることのメリット・デメリットをあげて「購入した方がいい」のか「必要な時だけレンタル」するのがいいのかをみていきましょう。
喪服レンタルのメリット・デメリット
喪服レンタルのメリット
- 購入するより安く済む
購入の1/5〜1/10程度の金額でレンタルすることができます。質の良くない安いものを買うくらいならレンタルの方がよいでしょう。 - クリーニングに出す必要がない
購入すればクリーニングに出しますが、レンタルの場合は使用後返却するだけです。さらに500円程度の保険にはいれば破損や汚れに対する保証がつけられます。 - 保管スペース不要
クローゼットの場所をとらない。いざ着ようとしたらカビや虫食い・・・という心配がありません。 - 体型の変化にも対応
各サイズ揃っていることが多いので体型が変わっても、その時に見合ったサイズを選べばOK。 - 季節に応じたものがある
購入する場合、薄手厚手と何種類も用意することは大変ですが、レンタルなら使用時の季節のあったもを選ぶことができます。
喪服レンタルのデメリット
- 借りるたびにお金がかかる
使用回数が多くなるほど割高感が発生していきます。 - 急いでいる時の対応に不安
ネットレンタルであれば商品の到着を待つことになります。また希望の商品が空いていない場合も考えられます。 - 返却する手間
式が終わったら早めに返却する必要があります。
着用頻度が高い人は購入を、ほとんど着ることがない人や出費を抑えたい場合はレンタルを考えてみてはいかかでしょうか?
購入する場合、レンタルする場合の比較ポイント
何かを買おうとする場合は何を気にしますか? 気になるのはデザインや質、そして値札ではありませんか? いくらステキな商品でも予算オーバーではどうにもなりません。値段に惹かれて購入したものの失敗、、、なんてこともあるかもしれません。
購入する場合、レンタルする場合、実際の商品で比較してみましょう。(慶弔兼用商品のためネクタイが白の画像もあります)
<購入>
ひとくちに喪服といっても値段はさまざま。値段の違いはどこからくるのか「洋服の青山」さんの喪服で比べてみます。
商品ページへ進むには画像をクリックしてください。
参考資料(値段は変更する場合があります)
108,900円
表地:ウール100%(ニュージーランドウール)、胴裏、袖裏:キュプラ100%
54,890円
表地:ウール100%(PURE NEW WOOL)、胴裏、袖裏:ポリエルテル100%
32,890円
表地:ウール74%、ポリエステル26%、胴裏:ポリエルテル100%、袖裏:キュプラ2%、ポリエルテル98%
10,945円
表地:ウール52%、ポリエステル48%、胴裏、袖裏:ポリエルテル100%
32,890円(ウォッシャブル:洗濯機で選択可能)
表地:ポリエステル100%、胴裏、袖裏:ポリエルテル100%
「洋服の青山」さんの同タイプの比較でみると、ウールの混率が高いほど値段も高くなり、ウール100%であれば高級ウールほど高くなっています。
予算との相談にもなるでしょうが、一般的に3~6万円の価格帯が人気があるようです。これより安いものであると質が悪く、見た目にも安物感が出てしまいます。
最近は「ウォッシャブル」という家庭で洗えるスーツが登場しています。スーツが洗えるなんてすご過ぎです! ポリエステルも技術向上により「ポリエステル=安物」という図式が成り立たない場合もあるようですが、やはり高級感、しっかり感はウール素材にはかないません。
<レンタル>
喪服レンタルは多くの会社がサービスを展開しています。ここではネットレンタル2社を比較します。
7点セット 6,200円
ブラックスーツ(上下)、シャツ、ネクタイ、ベルト、アームバンド、靴(ストレートチップ)、靴下、(安心保証パック500円)
3泊4日のレンタル。保険をつけてもフルセット6,700円です。 ブラックスーツ上下だけなら3,990円
東京五反田にある「みんクロ」という礼服喪服レンタル店です。
「ポリエステル100%なのでシワになりにくく、ストレッチ素材で動きやすい」のが特徴のようです。
「みんクロ」でレンタルした場合に限られますが、500円で帛紗(ふくさ)と数珠を500円で借りられるサービスもあります。小物までセットで借りられるのは便利ですね!
帛紗(ふくさ)・数珠 500円(みんクロで喪服レンタルの場合のみ)
もう一点紹介します。こちらは山口県にあるエムラ社が運営する喪服レンタルです。
6点セット 6,780円
ブラックスーツ(上下)、シャツ、ネクタイ、ベルト、靴(プレーントゥ)、靴下、(保証パック500円)
3泊4日のレンタル。保険をつけてもフルセット7,280円です。
どちらもフルセットを低価格でレンタルできるサービスを展開していますが、この2社を比較してレンタルする時の注意点を解説していきます。
<ネットレンタルの注意点>
どこのネットレンタル会社もだいたい12時〜16時までに注文をうければ当日発送してくれますが、
気をつけたいのはネットレンタル会社の所在地
例えば東京に住んでいる人が月曜午前中に喪服を注文するとします。
- 東京五反田の「みんクロ」⇒火曜日午前着
- 山口県のエムラ社⇒水曜日着
関西より西に住んでいる人が頼めば逆転現象が起きます。自分が住んでいる場所とネットレンタル会社の場所で到着日時が大きく変わることを抑えて置いてください。
素材やサービスの内容を見てみましょう。
- 東京五反田の「みんクロ」⇒ポリエステル100%、袱紗、数珠のセットあり。
- 山口県のエムラ社⇒ウール100%、袱紗、数珠のセットなし
袱紗、数珠がセットでレンタルしたいのであれば「みんクロ」、ウール100%にこだわるなら「エムラ社」を選ぶことになるでしょうか。
喪服レンタルは「到着までの時間」と「セット内容」がポイント
レンタル会社の選定には「到着までの時間」「セット内容」を中心に素材や補償も含めて決めるといいと思います。しかし弔事は急にやってきてあわただしく用意することになるケースが多いので、余裕があれば事前にチェックしておくとよいでしょう。
どこで購入? どこでレンタル?
購入するにしても、レンタルするにしても大きくふた通りに分けられます。店舗かネットか。店舗の場合はさらに選択肢が増えていきます。それでは購入またはレンタルする場所を見ていきましょう。
購入する場所
- オーダースーツ店・デパート
専門知識を持ったテーラーのアドバイスのもと、しっかりとしたものができあがります。相場は高めで8万円以上と考えると良いでしょう。高いものでは何十万もするものもあります。 - 量販店(洋服の青山、AOKI、コナカ、スーパーのフォーマルコーナー)
人気の値段は3万円〜6万円と高級店に比べると値段も抑えられます。品数は豊富で既製品からイージーオーダーまで選ぶことができ、高級店に比べると敷居が低いので気軽に入店できます。 - インターネット
ネット販売は価格勝負のところもあるので1万円~2万円代が多数あります。現物を見れないこと、試着できないことのデメリットもありますが、店舗に行くことなく購入できます。
レンタルする場所
- 葬儀社
葬儀社は貸衣装店と提携していることが多いので相談してみるといいでしょう。仲介料や手数料が加算されることもあり割高になる傾向があります。
8,000円〜が相場になっています。 - 貸衣装店
試着できるのが最大のメリットです。近くに店舗がない場合は不便を感じますが、体形に合ったものを選ぶことができます。こちらも8,000円〜が相場になっています。 - ネットレンタル
人件費がかからない分もっとも安く4,000円〜レンタルすることができます。サイズは各種そろっていますが、自分で採寸する必要があります。
購入すべきか? レンタルでいいのか?
さて、結局のところ喪服は購入した方がいいのでしょうか? レンタルで十分なのでしょうか? 最終的にはその時の状況や立場によって答えは変わってくるものですが、ここでは判断するポイントについてお話ししていきます。
購入をおススメ
- 40代以上の方は弔事、慶事と着用頻度が高くなるので持っているとよいでしょう。
- 喪主や遺族になった場合は葬儀後の法事にも着用機会があるのでレンタルを重ねるより購入がおススメ。
- 哀しい知らせの時に急いでレンタルしたり、慌てるのが嫌と思うのであれば事前に購入を。
- 一度購入すれば体型の変化でもない限り、長い期間着用でき必要な時すぐに使用できる。
- 購入するのであれば体に合って、しっかりとした質のものを店舗で購入するのがよいでしょう。
レンタルをおススメ
- 買っても着る機会がないと感じるのであればレンタルをおススメ。
- 参列者として着用するのであればレンタルで十分。
- 急な知らせで金銭的に余裕がない場合はレンタルでよいでしょう。
- 安物を買うくらいならレンタルしましょう。
- レンタルであればネットレンタルで小物も含めセットで借りることをおススメ。
おわりに
立場による喪服の違い、喪服の選び方から着こなし方、そして喪服は購入すべきか? レンタルでいいのか?(店舗かネットか?)についてお話ししてきました。
お祝い事とは違い、哀しい知らせは急にやってくることが多いものです。ある程度の用意をしておくと当日慌てずに済みます。こういう選択肢がある、これを準備すればいい、買うならココ、レンタルならココと知識として押さえておくだけでも十分だとお思います。
葬儀はとても厳粛な場です。最近は一日葬や家族葬といったシンプルなスタイルの葬儀が増えていますが、故人を悼んで喪に服することには違いありません。
遺族であっても、参列者であっても礼服マナーを守るのは当然のことです。しっかりとした服装を心がけましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。皆さまのお役に立てたら幸いです。